【プチコン4講座】ジャンプアクションの作り方:予備知識編
こんにちは。なおキーヌです。
ブログ毎日更新は270日目になります。
ジャンプアクションゲームと聞いて最初に思い出すのはスーパーマリオブラザーズだと思います。
ちょっとゲームを作ったことがある人なら一見簡単に作れてしまうゲームのように見えますが、
マリオのジャンプを再現しようとすると意外と完全再現は難しいのです。
ジャンプアクションの最終目標はマリオジャンプですが、計算式がやや複雑なので
とりあえず自然な感じの放物線を描くジャンプを段階を踏んで再現できるようにしてみましょう。
ジャンプの仕組みを知ろう
2Dの横スクロールのアクションゲームは必ずと言っていいほどジャンプが実装されています。
代表的なジャンプして進んでいく2Dアクションゲームと言えばスマブラに集結している
- マリオシリーズ(ヨッシードンキー等ファミリーシリーズ含む)
- ロックマン(X)シリーズ
- ソニックシリーズ
- 悪魔城シリーズ
と言った感じでしょうか。
原作ではジャンプの基本的な仕組みは同じものの、
落下速度や上昇速度、ジャンプの挙動の癖なんかがそれぞれ違います。
1つずつ見ていきましょう。
2Dマリオシリーズ
ジャンプゲームの王道と言えばマリオでしょう。
ファミコンが初出ですが、以下のようにジャンプが変化しています。
- ドンキーコング(1画面アクション)
- マリオブラザーズ(1画面対戦アクション)
- スーパーマリオブラザーズ(横スクロールアクション)
ドンキーコングとマリオブラザーズのジャンプ
人間、ジャンプ中に進行方向を変えるなんで無理だと思うので、
初代ドンキーコングのマリオのジャンプはある意味リアルなジャンプだと思います。
しかし実際に操作してみるとリアル寄りのジャンプは少しイライラします。
なぜイライラするかというと、見た目は避けられるはずなのにジャンプ中は一切操作が効かないというところです。
マリオブラザーズも同じです。
移動のスピードはドンキーコングよりもあがりましたが、
ジャンプの挙動は似た感じでジャンプ中に方向転換できません。
マリオブラザーズに関しては狙ってやったのかはわかりませんが、
このジャンプの挙動こそが対戦ゲームとしての面白さを底上げしている気がします。
自由なジャンプが出来てしまえば上級者になればなるほど有利になるので
あえて制限を課してフェアな対戦が出来るようにしているのかもしれません(時代的に深読みかもですが)
スーパーマリオブラザーズでのジャンプの進化
そしてスーパーマリオブラザーズ。(以下スーパーマリオ)
世界で最も売れたゲームとして有名ですね。
この2019年になっても面白いと感じるのはとてもすごいと思います。
大きく変わったジャンプに注目してみましょう。
今まではジャンプしても挙動を変えることができませんでしたが、
スーパーマリオのジャンプはなんと前方にジャンプ中でも後ろに挙動を変更することが出来ます。
そしてただ挙動変更できるのではなく慣性の法則も取り入れています。
詳しく言うとダッシュして前方にジャンプした時に反対方向のキーを押すと、
いきなり後ろに動くのではなく、押した分だけ速度を落とし落下位置を調整できます。
これの何がすごいのかというと、ダッシュ中に前方ジャンプをして後ろキーを押した時に
速度を無視していきなり後ろに大きく動いたとき人間の感覚的に
「いや、流石にそうは動かんだろ」
って違和感を覚えます。
そんなこと言ったらジャンプ中に減速出来るのもおかしいだろ!
と思いますが、実際にプレイしてみると現実ではありえない挙動なのに
なぜか自然に感じてしまうのがスーパーマリオジャンプの凄い所です。
人間の頭の中では無意識のこうしたいというのがあり、
ジャンプ中にちょっと微調整すればあのブロックに乗れるのにという思いから起こされる錯覚のようなものだと思います。
実際ジャンプの微調整をすることによって理想の着地が出来た時、
頭の中で想像していた「乗れた!」という感覚がメチャクチャ気持ちいいのです。
リアルにしすぎず、それでいて人間の本来持つ感覚を裏切らない。
とことん人間の欲求を満たしているからこそ、スーパーマリオブラザーズというゲームは
世界で最も売れたんじゃないかと私は思います。
クソゲーによくありがちなジャンプ仕様
スーパーマリオのジャンプはゲームをあまりしたことが無い人でも体験したことはあるぐらい有名です。
しかし、ファミコン時代はそんな素晴らしいゲームの裏側にとてつもないクソゲーが量産されています。
中には「それがいいんだよ!」というクソゲーマニアも多い(実は私もそう)のですが、
一般的に見ればただただ苦行。難しすぎてやる気が失せるといったジャンプアクションゲームが沢山あります。
1つはドンキーコングやマリオブラザーズと同じでジャンプ中に挙動変更が出来ないゲーム。
この2つは落ちる穴が殆ど無いからあのジャンプでも楽しく遊べていたのです。
しかしスーパーマリオのように穴があってミスをするタイプのアクションゲームで、
ジャンプ中に挙動が一切変更できない仕組みの場合、ジャンプした瞬間に結果が決まってしまうのです。
実際にプレイしたことより見たことある人の方が多いと思うのが、
ゲームセンターCXでも有野課長がプレイした「アトランチスの謎」
穴だらけのステージなのにあのジャンプの挙動。
それだけで難易度を極限まであげておりアクションゲームの中でもクソゲーの名をほしいままにしています。
慣れてしまうとあのジャンプでもスラスラとクリアできるのですが、
大抵の人は恐らくジャンプで渡っていくステージで挫折するでしょう。
有野課長も何度もミスをしていたステージです(笑)
あの時代は製作者側のスキルもなかったのであのようなジャンプにしていたのだと思います。
今の時代であのジャンプのアクションゲームを出そうものなら、レトロネタとしてとられるか炎上するかですよね。
ゲームに現実を取り入れすぎると面白くなくなる話
スーパーマリオの項目でもチョロっと話しましたが、リアルを取り入れすぎると面白くなくなるのがゲームです。
昨今の3Dフォトリアルであれば問題ないとは思うのですが、
ドット絵のゲームで変にリアルな挙動にしてしまうと苦痛を感じることが多くなります。
こうしたいのに!
ああしたいのに!
という欲求を満たせないのが悔しくなってクソゲー認定します。
しかし人間の脳は自分の都合のいいように考えてしまうので、あからさまにおかしい挙動を見てもクソゲー認定します。
人間ってワガママですね(笑)
そこをうまく突いたのがスーパーマリオブラザーズです。
実はスーパーマリオブラザーズの前に横スクロールジャンプアクションゲームとして売れたのが
手足が生えたパックマンが主人公のジャンプアクションゲーム、パックランドです
恐らくこのゲームがなければスーパーマリオブラザーズはここまで評価されていなかったと思います。
スマブラにパックマンが出られたのもこの横スクロールアクションがあってこそですからね。
私も当時親が購入したファミコン版のパックランドをプレイしたことがあるのですが、
スーパーマリオブラザーズに比べたら難易度がおかしいぐらいのゲームだった記憶が強いです。
あのゲームはどっちかというと現実味が少ないアクションゲームでした。
スーパーマリオはパックランドの弱点を突いて人間の欲求を満たし、
ジャンプアクションゲームの王様になれたのだと思います。
※あくまでなおキーヌ個人の意見なので正しいとは限りません。
実際にジャンプの仕組みを作るにはどうすればいいか
お話が長くなってしまいましたが、ジャンプアクションゲームを作るには
有名なジャンプアクションゲームのジャンプそのものを知っておいた方がよかったからです。
これから段階を追ってジャンプアクション作りにチャレンジしていきましょう。
癖のあるジャンプをまず作ってみて、どうやったら気持ちいいジャンプになるかの分析も挟んでいきます。
やはり体感で楽しい!と感じないとゲームとはいえませんからね。
ジャンプさせる前にまずキャラクターをきめましょう。
人間なのか、ロボットなのか、動物なのか、地球外生命体なのか。
そのキャラクターによってジャンプの挙動を変えなければいけません。
人間や動物は慣性の法則が働くため、急に方向転換はできません。
一方ロボットに関しては何らかの理由を付けてしまえば急に反転させることも可能です。
地球外生命体に関してはもうなんでもありですね。
ジャンプじゃなくて浮けばいいんじゃないでしょうか(笑)
まとめるとジャンプの仕組み作りは以下の手順になります。
- ジャンプさせるキャラクターをきめる
- そのキャラクターは重力の影響をうけるか否か
- 不自然な動きをしても理由付けで説得力を持たせられるか
以上の三つを元にジャンプの仕様を決めてしまいます。
ジャンプしてて楽しいと思えないとダメ
ココからは完全に個人の主観となります。
ジャンプして楽しいなと思ったのはスーパーマリオ・ヨッシーアイランド・スーパードンキーコングはもちろんで
以下の2つが一番アクションゲームとして楽しかったなと記憶しています。
- ロックマンX
- ワギャンランド
ワギャンランドに至っては先ほど言ったジャンプ中に逆方向を押すと即座に後ろに移動することが可能です。
本来なら不自然な挙動なのですが、ワギャンだと問題なく感じてしまいます。
なぜかというと、ワギャンはロボットだからでしょう。
マリオはゲームキャラクターとはいえカテゴリとしては人間に部類します。
現実離れしたジャンプ力を持ちつつも、慣性の法則を取り入れることによって人間味を持たせます。
一方ロックマンも人間風ではありますがロボットです。
ロックマンもロックマンXもジャンプ中に反転させることが可能です。
ゲーム界のロボットは慣性の法則を無視するようです(笑)
ロボットという前情報があるため、人間の挙動ではできないことも自然と受け入れてしまうのです。
なのでジャンプアクションゲームを作るとき、ジャンプするキャラクターの種は何かで決めてみるといいかもしれません。
次回はどうやったらジャンプの処理を作ることが出来るのかに焦点を当ててみます。
実際に作ってみることで、ジャンプの仕組みってこうなってるんだ!って学べると思います。
プレイする側だとあまり気にしないジャンプの仕組み、知っておくと数学が楽しくなるかもしれませんね。
それでは。